結論:「EFから進化した革新的マクロレンズ」
ついにRFレンズに本格マクロレンズが登場しました。発売日に入手し、昨今では在庫も安定してきたと思いますので、レビューしていきたいと思います。
この記事では、RFレンズのマクロが気になる人、EFとの違い、マクロ撮影は普段しない方に向けこのレンズのメリット及びデメリットを紹介してきたいと思います。買うか買わないかの判断に役立てば幸いです。
レンズの特徴
- 等倍を超える1.4倍での最大撮影倍率
- 驚異的な手ブレ補正能力
- ボケ味の変化をつけるSAコントロールリングの搭載
- AFの快適性
- マクロ撮影以外もこなせる万能中望遠
ざっくりこの3点が大きいポイントだと思います。簡単な仕様は後ほど紹介しますので、まずは特徴3点について説明していきます。
①等倍を超える1.4倍での最大撮影倍率
一言でいうと、「実際よりとても大きく撮影することができる」ということです。マクロレンズというのは被写体をセンサーサイズに対して同じような大きさで撮影できます。葉や花を大きく写しクローズアップしたような普段得られない景色をみることのできる、マクロレンズならではの写真撮影ができます。
EFのEF100mm では最大撮影倍率が1.0倍でした。これでも十分マクロの効果は得られますが、RFレンズはRFマウントの恩恵なのでしょうか、さらにアップでとることができます。今まで以上に非日常の写真が撮れ、花や葉のディテールを精微に写し出すことができるでしょう。

②驚異的な手ブレ補正能力
EOS R5/R6といったボディ内手ブレ補正のあるカメラですと、レンズとカメラの協調により、なんと8段分の手ブレ補正能力があります。EOS R/RPに装着時はレンズ単体での補正で5段分あります。驚異的です。さらに、ハイブリッドISとよばれる角度ブレとシフトブレを同時に補正できる機能がついています。
マクロ撮影ではより手ブレが顕著になります。このレンズではシフトブレにも対応していますので、従来の手ブレ補正を遥かに凌駕する性能があります。 手持ちで快適にマクロ撮影がすることができるのです。
筆者も夕暮れの薄暗いベランダで花を撮影してみたのですが、シャッタースピードがあまり稼げない中、ブレずに撮影することができたので、とても助かる機能だと言えます。
上にある写真はSS 1/60 , f2.8, ISO 3200で撮影しました。もちろん手持ちです。最大限までよると自身の手のかすかな震えが顕著に現れるのですが、ブレも吸収し、さらにISO3200でもノイズ感がなく撮影できました。
最近のRシリーズの性能を体感すると、もう一眼レフには戻れませんね・・・
③ボケ味の変化をつけるSAコントロールリングの搭載
あまり使わない機能かもしれません。RFレンズの強烈な描写性能を体験するのにはSAコントロールはニュートラルで得られるためだからです。とは言っても、これはおもしろい機能です。なんといってもプラス側、マイナス側にリングを回すだけで被写体前後のボケ味が柔らかくなったり硬くなったり変化をつけることができるからです。
いずれにしてもダイヤルを回すとソフトな描写となるため、ある種のソフトフォーカスレンズのようにも思えます。



SAコントロールを(ー)側にするとボケの輪郭がソフトになっていることがわかります。
反対に(+)側にすると背後の玉ボケの輪郭が硬くなっております。
SAコントロールを使用するとニュートラルに比べて全体的にふわっとした印象となります。
④AFの快適性
こちらのレンズは「USM」搭載です。ナノUSMモータのオートフォーカスは非常に高速でした。マクロレンズというのはとても近いところから無限遠までフォーカスの範囲が広いのですが、そんなことを感じさせない速さです。さらにUSMは非常に静かで駆動音がしません。
ナノUSMは動画撮影時でも駆動音がなく非常に快適に撮影ができますので、動画撮影にもおすすめです。
⑤マクロ撮影以外もこなせる万能中望遠
マクロレンズというとマクロ撮影ばかりに目が行きがちですが、こちらのレンズは焦点距離100mmの中望遠レンズです。マクロ撮影に限らず中望遠レンズとしてLレンズならではの高品質な描写性能により、被写体を思いのままに写し出すことができます。中望遠で開放F値が2.8というのはなかなか扱いやすいんではないんでしょうか。
私は夜の空港での写真に挑戦しようと思っています。あまりこういう使われ方はしないでしょうが、これから使うのが楽しみです。
仕様
簡単ではありますが仕様を紹介します。公式にもありますが、特筆べき内容をピックアップしました。
最短撮影距離 | 0.26m(撮像面から) |
最大撮影倍率 | 1.4倍 |
絞り羽枚数 | 9枚 |
最小絞り | F32 |
フィルター径 | 67mm |
長さ | 148mm |
質量 | 約730g |
公式のリンクは以下です。

レンズ外観
ここでレンズの外観について紹介します。

500mLのペットボトルと大体似たようなサイズかなと思います。
レンズフードを装着するとかなり大きな見た目になりますので、好みが分かれそうです。

こちらのレンズは100mmという中望遠域ですがマクロレンズということもあり、フォーカスリミッターが搭載されています。

AF/MFの切り替え、手ブレ補正のON/OFFは他のCanon製のレンズによく見られるものだと思います。
EOS R6との装着イメージ
私が持っているEOS R6に装着した際の写真をお見せします。

サイズ感はちょうどよく、取り回しもいいです。
参考にRF35mmのレンズを横においてみました。

こうしてみるとRF35mmは小さいレンズであることがよくわかります。
使用した保護フィルター
私はゼクロス2というフィルターを新規で購入しました。
こちらのフィルターは「究極のレンズ保護フィルター」と評されているだけあり、逆光にもつよく、ほぼフィルターをつけていないかのような画質を維持できます。
少々値段はかかりますが、非常におすすめの保護フィルターなのでぜひご検討ください。

Made in JAPAN
まとめ
いかがでしたでしょうか。簡単ではありますがレンズの特徴をまとめてみました。
RFレンズのラインナップも増えてきて、待望の本格マクロレンズの登場です。
描写性だけでなくSAコントロールといった面白い機能、安定高速のAFなど基本性能はEFからアップしつつ最大撮影倍率1.4倍などRFレンズならではの驚異的性能が詰まったレンズだといえます。
価格は現在\163350でした。(2021.9現在)
消して安価ではないですが、等倍を超えた新世界を写し出すこともできる万能型中望遠レンズなので価格以上の満足感はあります。どんどん写真を撮っていきたいです。
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